分析法理学1

  • 人間社会ならば法とは何かという問題がある
  • 他分野(医学や化学)ならばこのような状況はみられない

 A:人間社会である

 B:法とは何かという問題がある

 C:法学以外の他分野である

 D:「何か」という問題がある

と置く.このとき

(1)  A→B

(2)  C→¬D

 

TTTT ①

TTTF ②
TTFT ③
TTFF ④
TFTT ⑤
TFTF ⑥
TFFT ⑦

TFFF ⑧ 
FTTT ⑨
FTTF ⑩
FTFT ⑪
FTFF ⑫
FFTT ⑬
FFTF ⑭
FFFT ⑮
FFFF ⑯

で可能世界を考える.

(1)について

① ② ③ ④ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ ⑯

(2)について

② ③ ④ ⑥ ⑦ ⑧ ⑩ ⑪ ⑫ ⑭ ⑮ ⑯

 したがって共通世界は

② ③ ④ ⑩ ⑪ ⑫ ⑭ ⑮ ⑯

である.

  • TTTF ② 

 人間社会には,法とは何かという問題がある.法学以外の他分野では「何か」という問題はない.

  • TTFT ③ 

 人間社会には,法とは何かという問題がある.法学の分野では「何か」という問題がある.

  • TTFF ④

 人間社会には,法とは何かという問題がある.法学の分野では「何か」という問題がない.

  • FTTF ⑩

 人間社会以外には法とは何かという問題がある.法学以外の他分野では「何か」という問題はない.

  • FTFT ⑪

 人間社会以外には法とは何かという問題がある.法学の分野では「何か」という問題がある.

  • FTFF ⑫

 人間社会以外には法とは何かという問題がある.法学の分野では「何か」という問題はない.

  • FFTF ⑭

 人間社会以外には法とは何かという問題がない.法学以外の他分野では「何か」という問題はない.

  • FFFT ⑮

 人間社会以外には法とは何かという問題がない.法学の分野では「何か」という問題がある.

  • FFFF ⑯

 人間社会以外には法とは何かという問題がない.法学の分野では「何か」という問題はない.

 ここで矛盾が起きているものを消去すれば

② ⑩ 

が残る.

  • TTTF ② 

 人間社会には,法とは何かという問題がある.法学以外の他分野では「何か」という問題はない.

  • FTTF ⑩

 人間社会以外には法とは何かという問題がある.法学以外の他分野では「何か」という問題はない.

 

結論

 集合 Xを扱うと, Xに関して Xの集合族P(X)であるということと, P(X)でないことが両立し得ることがわかった.たとえば

猿の社会と猿の社会以外

というように.もし集合について成り立つことが,その補集合でも成り立つとしたら,集合の性質とは何なのか.これから補集合について考えて行きたい.