1.1 集合の内包的表記について 3項

 a:1つの集合

 P(x):集合に関する条件

 \{x∈a|P(x)\}:P(x)を成り立たせる集合aの元x全体の集合

とする.このとき外延性公理より \{x∈a|P(x)\}は一意に定まる.

(証明の方針)

  • 外延性公理

 ∀u[u∈x←→u∈y]→ x=y 

i.e.  [x⊂y←→y⊂x]→x=y

  • 部分集合の表記

 φ(x):xに関する条件

とする.このとき

 ∀x[x∈a→φ(x)]

である.

(1)  aは1番目ならばaは1個

(2)  aは1個ならばaは1番目

をいう.

(1)について

  aが1番目である,と仮定し1番目は2個すなわち a,bとする.しかし,外延性公理より

 ∀x[x∈a←→x∈b]→a=b

が成立するので,1番目は1個である.したがって, aは1個である.

(2)について

  aが1個である,と仮定する.このとき条件から, aは1つ,すなわち1番目であるから,(2)が成立する.

 以上より,

 aは1番目 ⇔ aは1個

であるので

 a:=\{x∈a|P(x)\}

は一意に定まる.