幾何ベクトルの定義 5項

  • 定義1

 E:二次元平面

 F:三次元空間

 EとFを合わせて考える集合をKと定める.

 A_0,A_1,B_0,B_1,......:点(パラメタ)

 P:K上の任意の点 i.e.  ∀P[P∈K]

 O:基点(原点) i.e.  ∃!O[O∈K]

とする.このとき

 \overrightarrow{OP}:始点Oから終点Pへの線分

これをベクトルと呼ぶ.とくに \overrightarrow{OO}は零ベクトルといい,\mathbf{0}で表す.また,ベクトルの始点を O以外に平行移動したものを,元のベクトルと同一視する.

  • 定義2 パラメタベクトルの束縛

 ∀P=[A_0,B_0,C_0]_K

 \mathbf{a}:=\overrightarrow{OA_0}

 \mathbf{b}:=\overrightarrow{OB_0}

i.e.  ∀P∈K∃!O∈K s.t.  \overrightarrow{OP}∈K

i.e.  ∀P∃!O[P∈K⇒[\overrightarrow{OP}∈K]]

ここで,式(文)が∀∃型なのは「s.t.」の性質より,たとえば \overrightarrow{OA_0} \overrightarrow{C_0A_0}でもかまわない,という意味である.つまり,始点が基点でなかったり基点がない場合もベクトルを考えられる.

  • ベクトルの和

ベクトル \overrightarrow{OA_0},\overrightarrow{OB_0}に対して, \overrightarrow{OB_0} \overrightarrow{OA_0}の終点 A_0に重なるように平行移動させる.すなわち \overrightarrow{OB_0}=\overrightarrow{A_0B'_0}である.このようなベクトル \overrightarrow{A_0B'_0}の終点 B'_0と基点 Oとを結んだ \overrightarrow{OB'_0} \mathbf{a}+\mathbf{b}で表す.すなわち

 \mathbf{a}+\mathbf{b}:=\overrightarrow{OB'_0}

である.これをベクトル \mathbf{a},\mathbf{b}の和という.

  • 任意のベクトルの和

 ∀\mathbf{a},\mathbf{b}[\mathbf{a},\mathbf{b}∈K]に対して \mathbf{a}_0,\mathbf{b}_0を選ぶ.和の構成の仕方は上記による.