絶対値の正値性 ⅹⅲ項

 a,b,c,......:束縛変数

 a_0,a_1,...,b_0,b_1,......:パラメタ

 |x|:実数xの絶対値

とする.このとき

(ア)  |x|=±x

(イ)  |xy|=|x||y|

(ウ)  |x+y|=|x|+|y|

が成立する.

(証明の方針)

(ア)について

  •  ±xとは?

 ±x i.e.  +x∨-x i.e.  +x⇒-x

であるから

 |x|=±x i.e.  |x|=-x

を示せばよい. |x|の定義より

 ∃x∈\mathbb{R}[x <  0]

をとればよい.

☆ 都合により |x|=∓を構成すれば |x|=+xで考えることもできる.これより,絶対値を考えるときは

 ∃x∈\mathbb{R}[x >  0] あるいは  ∃x∈\mathbb{R}[x <  0]

のみを考えればよい,ということがわかった.このことを絶対値の正値性あるいは負値性とよぶ.

(イ)について

 ∃x∈\mathbb{R}[x >  0]

とする.このとき

 x_0 >  0\leftrightarrow |x_0|=x_0  仮定

 y_0 >  0\leftrightarrow |y_0|=y_0  仮定

とすれば

 |x_0y_0|=x_0y_0

 |x_0||y_0|=x_0y_0

であるから

 |x_0y_0|=|x_0||y_0|

が成立する.したがって

 ∃x,y∈\mathbb{R}[|xy|=|x||y|]  ∃-導入,∃-除去

と成る.

(ウ)について

 ∃x,y∈\mathbb{R}[|x+y|=|x|+|y|]

を示す.絶対値の正値性(仮定)より

 |x_0+y_0|=x_0+y_0

 |x_0|+|y_0|=x_0+y_0

であるから

 |x_0+y_0|=|x_0|+|y_0|

により

 ∃x,y∈\mathbb{R}[|x+y|=|x|+|y|]  ∃-導入,∃-除去

が成り立つ.