合成写像 6項

 A,B,C,......:集合(パラメタ)

 a,b,c,......:束縛変数

 a_0,a_1,...,b_0,b_1,......:パラメタ

とする.このとき

①  f:A→B

 x\mapsto f(x)

 ∀x∈A∃!y∈B[f(x)=y]

②  g:B→C

 y\mapsto g(y)

 ∀y∈B∃!z∈C[g(y)=z]

 x\mapsto g(f(x))

を考える.しかし,このままでは合成できない.①で y存在量化されているのに,②で全称量化されているからだ.そこで一旦,パラメタで考えてみる.

1 (1)  ∀x∈A∃!y∈B[f(x)=y]  前提

1 (2)  ∃!y∈B[f(x_0)=y]  1. ∀-除去

3 (3)  f(x_0)=y_0  仮定

4 (4)  ∀y∈B∃!z∈C[g(y)=z]  前提

4 (5)  ∃!z∈C[g(y_0)=z]  4. ∀-除去

6 (6)  g(y_0)=z_0  仮定

このとき g(f(x))を考えると

 g(f(x_0))=g(y_0)=z_0

6 (7)  g(f(x_0))=z_0  6.

6 (8)  ∃!z∈C[g(f(x_0))=z]  7. ∃-導入

1,4 (9)  ∃!z∈C[g(f(x_0))=z]  6-8. ∃-除去

1,4 (10)  ∀x∈A∃!z∈C[g(f(x))=z]  9. ∀-導入

このようにして,合成写像は存在する.

 f,g:\mathbb{R}→\mathbb{R}

 f(x):=3x^2+2x+1

 g(x):=x+1

いま

 3x^2+2x+1=y_0

 x+1=z_0

と仮定する.

まず, g\circ fを考える. ∀x∈\mathbb{R}に対して

 g(f(x))=g(y_0)=y_0+1=(3x^2+2x+1)+1=3x^2+2x+2

である.

次に, f\circ gを計算する. ∀x∈\mathbb{R}に対して

 f(g(y_0))=f(z_0)=3z_{0}^2+2z_{0}+1=3(x+1)^2+2(x+1)+1

 =3(x^2+2x+1)+2x+2+1=3x^2+6x^2+3+2x+2+1

 =3x^2+8x+6

を得る.

☆  y_0 z_0を仮定したがパラメタ変形によって,両項ともに消えてしまったので,仮定も自動的に消える.