命題 1.1.5 9項

1. 関係 Rが反射的である,とする.このとき (R_≠)_==Rである.

(証明の方針)

  Rは反射的であるので ¬(x≠x)である.すなわち x=x.したがって,反射的関係 Rを得る.

2. 関係 Rが非反射的である,とする.このとき (R_=)_≠=Rである.

(証明の方針)

  R_= R_≠の定義をそのまま用いればよい. Rは非反射的であるので

 ¬R(x,x)=R i.e.  ¬(x=x) i.e.  x≠x i.e. 非反射的関係 R

と書ける.

3. 関係 Rが半順序である,とする.このとき R_≠は非対称的で推移的な関係である.

(証明の方針)

  R_≠の定義より R(x,y)←→x≠yである.反対称性より

 R(x,y)←→R(y,x)

であるから x≠y←→y≠xを得る.いま, R(x,y) R(y,z)を考える.このとき,再び反対称性から

 R(x,y)←→R(y,z)→x≠z

が成立する.したがって

 x≠y←→y≠z → x≠z

と表示できる.

4. 関係 Rが非対称的で推移的な関係である,とする.このとき R_=は半順序である.

(証明の方針)

① 反射的

  R_=の定義より R(x,x)→x=xと表すことができるので R_=は反射的である.

② 推移的

 与えられた条件に推移性があるので R_=は推移的である.

③ 反対称的

 非対称性より x≠y←→y≠xである. R_=の定義から

 ¬(x≠y←→y≠x) i.e.  x=y←→y=x

を得る.そして ←→の意義より x=yと書ける.それゆえ→-導入より

 x=y←→y=x → x=y

が成立する.

  • 補足

 R_=:⇔ R(x,y)→x=y

 R_≠:⇔ R(x,y)←→x≠y

仮言に関して,仮言から選言を導出できるが選言を仮言に戻した.また,連言については同値←→で代替した.ここで使用する論理記号は¬と→のみである.